全手動軽文量産機

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威海に関するアレやコレ 其の参





威海解析

──旧世界概念の復活──



 威海の開発が進むにつれ、どれだけ長い間威海に滞在しようと、何の変調も来さない者たちが存在することがわかってきた。更に言えば、彼らは異質な世界にあっても、こちらの世界と変わらぬ認識を保ち続け、さらにはより鋭敏な知覚能力、身体能力を獲得するものまで現れ始めた。


 政府は直ちにこうした人員達に対して調査を行ったが、結果として判明したのはにわかには信じがたい事実だった。


 彼らは総じて神社や寺の子息、祖父に拝み屋を持つ者、京における陰陽寮の没落貴族の子孫などといった、大半が近代化の過程で否定されてきた、非科学的な概念を司る者たちの末裔だったのだ。

 この近代科学の流れとあまりに逆行した要素の発見に、当初政府は頭を抱えたという。


「……どうしたもんかねぇ」
「くそっ! ありえんぞ? ただでさえ、あの場所は神隠しの行き着く先だなんて言われてんだっ!?」

「……あんまりにも超常的な存在すぎて、予算出すやつらも担当官を実地に運ばないと、場所の存在すら信じないぐらいだからなぁ」
「ようやく発見した、長く向こうに送っていても錯乱せんやつらも、神社や拝み屋だのの怪しい連中の末裔ばっかりだぁっ!? それどころか最近は変な力まで身につけ始めただなんて与太話、どうやって連中に信じさせろってんだぁぁ!!」

「……もう、あれだね。宮内省経由で、陛下の御英断におすがりするしかないかもね」
「うっ……や、やっぱりか。恐れ多いことだが、仕方ないか」


 威海は神隠しの行き着く先。既存の常識外の空間である。むしろ、そうしたオカルト的な要素で対処できるのが道理というものだろうと、色々と一騒動あった後で、最終的には納得した。

 もとよりオカルト的な事柄に対して、寛容なお国柄もあっただろう。政府はこの事実を考慮に入れた上で、今後の威海に対する政府方針を計画していくことを決定したのだ。

 こうして、これまで発展して来た近代科学とは決して相容れぬ概念によって、この威海の法則は解析されて行った。

 しかし、近代化の過程で、オカルト的な知識は総じて衰退の傾向があった。また、それぞれが個人技能者によって長く秘匿されてきた技能だけあって、無数の異なる術式が乱立していたのが当時の現状だった。

 直ちにオカルト的な理論を体系的にまとめる必要があると理解した政府は決断した。国内のあらゆるオカルト的な技能者を中央に招聘し、一つの統合学府を設立したのだ。近代科学的な知識と区別する意味を込め、彼らの操る理法は【架学】と称される一つの体系的な学術知識として、まとめあげられていった。

 招聘された技能者は統一的な呼び名として、甲種・特殊技能執行者という呼称を与えられた。今で言う特殊技能執行者が、歴史の表舞台に初めて立った瞬間だった。




  1. 2007/05/05(土) 00:30:30|
  2. オリ長編文章
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