全手動軽文量産機

──A.L.M──

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バンザイ、超振動ライフ 中編



               【4】



 そんな訳でナタリアに惚れちまった俺は生きる理由を見出した。
 でもナタリアが惚れてるのはアッシュのデコッパゲの野郎だ。

 もう好きな相手に惚れてる奴が居るってのは言葉に出来ない類のモヤモヤが胸の内に込み上げる。
 もうあいつどうしてくれようかと頭の中でアッシュを百回ほど刺し殺した所で、船が故障した。

 修理にはある程度の物資が必要だと言うことで、近隣の港としてケテルブルクに上陸した訳だが。

 しかし、寒い! マジ寒い!! デラ寒い!!

「こんな腹筋丸出しの変態ルックで居たら軽く百回は凍死できるぜっ!!」
「けっこうなことじゃないですか」

 ……同意されてしまった。

 それはそれで物哀しいと思ったが、言われてみればそれもそうだと思えてきた。
 うん、とりあえず人間関係を整理してみよう。

 アッシュ=ナタリアの王子様でラブラブ。ダークヒーロー。
 俺=幼馴染みとして扱わないでもない。ジェノサイダー。

 ……改めて考えると、絶望的な戦力差だよな。
 うぅ……もうマジ死にたくなった。

 凍死……それもいいかもな。

 この雪国の知事と面会したりもしたのだが、俺は終始上の空だった。

 知事の話が終わった後で、ジェイドの言葉に感銘を受けた俺はさっそく試してみることにした。
 ホテルで部屋に行く皆と別れ、一人外へと向かう。

 しかし、ホテルの外に出た俺を、怪しい黒服集団が取り囲みやがった。

 ま、まさか……こいつら、俺のケツを狙ってやがるのか!?
 こいつはやべぇ!! ガチホモの臭いがぷんぷんするぜっ!

 戦々恐々しながら為す術なく拉致されて、運び込まれた先は知事邸でした。

 あれ、おかしいなーと思っていたら、ジェイドの妹であるネフリーさんが目の前に出てきた。

 はて……? これはもしかして、あれなのだろうか?

「……何をしているんですか?」
「え、いや、人妻の熟れた身体を俺の若さで慰めようと……」

 譜術の一撃が俺の股間を掠めて飛んだ。
 背後で、一瞬で凍り付いた家具が爆ぜ割れる音が響いた。
 服を脱ごうとしていた俺の動きは完全に止まる。

「次はないですよ?」
「もう二度と致しません!」

 誠心誠意の土下座をかます俺に、ネフリーさんも何とか怒りをおさめてくれた。

 そして始まる本題は、レプリカ技術開発者、ジェイドの嬉し恥ずかし過去話でした。
 しかし、話を聞く限り兄さんの天才っぷりを自慢してるようにしか聞こえない。
 これは……もしかして、あれだろうか? 所謂一つのブラコン自慢?

「ルークさん、あなたはどう思いますか?」
「そりゃまた凄いお兄さんですね。ゲヘヘ」
「……ともかく、私の話は以上です」

 なんだか蛆虫でも見るような蔑みの視線を送られた。でもちょっと快感。

 話を締め括ったネフリーさんに、俺は追い出されるようにして屋敷の外に出た。

「ネフリーに話を聞きましたね?」

 うおっ、ジェイド!?
 待ち構えていたかのようにジェイドのやつが立っていた。

「な、なんのことかなぁ……?」
「……まあ、いいでしょう」

 ちょっと言葉にできない空気が俺たちの間を続く。

「じゃ、じゃあ、俺はちょっと試してみたいことがあるかそろそろ……」
「わかりました。あ、それとルーク。この街で死ぬことは許しませんよ?」

 ネフリーの手間が増えますからねぇ、と凄い目で脅された。

「SirーyesーSirー!!」

 本能の促す警告に従って、俺は全力で敬礼を返していた。

 しかし……なんだかんだ言ってジェイドもシスコンだよな。



               【5】



 そんなこんなで、ようやく帝都に着いた訳だが、早速死にたくなった。
 もう……なんか今回ばかりはマジで限界。

 何があったかというと、森でガイが俺に斬りかかってきたのだ。

 一応、六神将に操られてたって話だが、事はそう簡単にすまないらしい。
 何でも、もとからそういう類の感情抱いてないと、操れないそうな。

 あの善人の見本のようなガイにまで殺意抱かれてるってどんな悪党よ?
 ……はい、もう死にたくて仕方ないです。

 そんなこんなで鬱になった俺は、港から海面をじーっと瞬き一つせずに眺めていた。

「……また死にたくなったの?」

 気付くと、隣に立ったティアが俺に小さく問い掛けていた。

「……なんか、よくわからなくなった」
「わからない……?」

 どこかきょとんと目を見開くティアの瞳を見据えながら、俺は自分の胸の内を明かす。

「自殺するのも一つの手だけど、むしろガイに殺されるなら、それも悪くないかもって……」
「バカぁっ!」
「へぶらばぁっ?!」

 頬を思いっきり右ストレートで撃ち抜かれた。
 あ、鼻から血がドクドク。

「そんな簡単に命を割り切らないで!」
「な、何だよ、ティアだって俺ん家に襲撃仕掛けたとき、あれ絶対特攻だったろ!」
「あ、あれは兄を止めるために仕方なく……」
「やっぱそうじゃねぇーか!」
「それでも今のあなたの行動は認められないわ!」

 ヒートアップした罵り合いは数十分間の間続いた。

 とりあえず結論として、カレーに福神漬けは必ず付けるということで合意した。

「……あれ、俺らって何の話してたんだっけ?」
「あら……?」



               【7】



 いや、なんか今の俺はスゲェ勢いでテンション上がってます。
 疑うことなかれ、なんと今の俺は空を飛んでいるのですよ!!
 ひゃっほうっ! もうマジで感動もんだぜっ!!
 感動のあまり外に飛び出したいぐらいだぜ!

「飛び下りたりするなよ、ルーク」
「ま、まさか俺がそんなことするわけないだろ!」

 集まる疑惑の視線に俺はあさっての方向を見据えることでしのいだ。

 そんなこんなで、降り立った崩落中のセントビナーで人助け。
 髭老人以下、民間人を助けることに成功した俺たちだったが、崩落は依然停まらない。

「どうすんの?」
「そうね……預言から外れた事象が起き始めた今なら、お祖父様も動いてくれると思うわ」
「ああ、テオドーロさんか」
「確かに、まずはユリアシティの住民に対策があるか尋ねておきましょうか」

 そんな訳で、俺たちはまたぞろあの陰気臭い街にまた向かう事になるのであった。



               【8】



 魔界でいろいろやって地上に戻ってきたら、そこは戦場だった。

 って、なんじゃそりゃ!?

 もう、かなりの大戦争状態です。
 人間がゴミのように死んで行ってます。悲惨だ。
 あーあー、もうこりゃダメだな。
 鬱だ。
 平和のために死のう。今すぐ死のう。

 急激に鬱が入り始めた所で、ぷるぷると握り拳を作って震えていたナタリアが顔を上げた。
 俺の襟首をものすごい力で掴んでな。

「戦争を止めましょう!!」 
「がふっ!?」

 ちょっ、そこ、襟、絞ま……っ?!

「ルーク、本陣へ向かいますわよ!!」
「…………」

「……あの、ナタリア。ルーク、白目を向いてるんだけど」

「ま、まあ、ルーク!!」
「と、とりあえず治癒をしましょうナタリア」


 渾沌したルークを囲みわいわいガヤガヤ。


「……あーあ、あれ完全に決まってるよね」
「……な、ナタリアは意外と力が強いからな」
「……まあ、ルークが死にかけるのはいつものことですからねぇ」


 やれやれと外野三人は肩を竦めるのだった。



               【9】



 はっと意識を取り戻したら、砂漠の街にいました。

 どういう状況よ……?
 しきりに首を傾げる俺に、ナタリアがちょっとどもりながら説明してくれた。
 それによると、ここに最高指揮官が居るらしい。俺たちは彼に直接掛け合って、停戦命令を出して貰おうという計画だそうな。
 何故かここに至るまで俺の意識は飛んでるのだが、ナタリアが言うならその通りなんだろうな。うん。

「うん、ナタリアが言うなら俺、信じるぜ」
「うっ……そ、そうですか」

 ナタリアは胸元を押さえ、顔を真っ赤にさせて顔を俯けてしまった。
 うんうん、照れてるのか。ナタリア可愛いよナタリア。

 まあ、実際は罪悪感に打ちひしがれていただけなのだが、俺は全然気付かなかった。


 ともあれ、ケセドニアでジェイド達と合流。
 最高指揮官に掛け合って停戦させようとしたら、そいつはモースと話していやがった。

 俺とナタリアは必死になって戦争の停戦を訴えた。
 しかし、それもモースに妨げられた。

「ご一同、偽の姫に臣下の礼を取る必要などありませんぞ」
「無礼者!! いかなローレライ教団の大詠師と言えども、それ以上の侮辱はキムラスカ・ランバルディア王国への侮辱となろうぞ!!」

 ナタリアの惚れ惚れするようなリンとした一括にも、モースは余裕そのものといった表情だ。

「私はかねてより敬虔な信者から懺悔を受けていた。曰く、王妃のお側役との間に生まれた女児を……おそれ多くもすり替えたと。この話はすでにしっかりとした証拠も添え陛下にもお伝えした。バチカルに行けば陛下は───」
「ちっ、ふざけた戯言を抜かしてんじゃねぇよこの典型的中年体系がぁ───!!」
「げぷろがぁっ!?」

 死にやがれぇっと俺が放った本気のテンプルに、モースが凄まじい勢いで鼻血を吹き出す。

「ちょ、お前、大詠師である私にこんなことをして、ただで……」
「まだまだぁっ!!」
「がぁふ! げふんっ!?」

 俺は頭を振り子のように揺らしながら、左右から連打を続けざまに放つ。

「こ、これは……!?」
「ガイ、何か知っているのですか?」
「上半身で∞の軌道を描きながら、身体の反動を利用して左右の連打を叩き込む……間違いない、こいつはデンプシーロールだ!?」
「まっくのうち! まっくのうち!」

 ガイの解説とアニスの声援を受けながら、俺は最後の一発を叩き込んだ。

「……ふっ、ナタリアを愚弄する奴は万死に値する。これぞ正義、俺のジャスティス」

 決めポーズを取る俺に、カッコイイですのーご主人様ーとミュウが合いの手を入れる。ふっふっふっ、もっと讃えよ。

「る、ルーク。た、大変だ。皆さん、ひとまず僕は教団に戻ります。後の処理は任せて下さい」

 イオンが冷や汗を掻きながら、いろいろと裏工作するべく気絶したモースを連れて、ダアトに戻って行った。

 ……あれ、もしかして俺、けっこうやばいことやっちまった?

「当たり前でしょう……バカ」

 ティアが呆れ顔で額を押さえていた。うっ……返す言葉もないぜ。

 ともあれ、その後は避難民の受け入れの打ち合わせとかをケセドニア商人ギルドのアスターとしていた。

《───おい、クズ! 聞こえるか!!》

 打ち合わせの最中、なんか変な電波が飛んできたが無視。

《聞こえてるんだろ! 無視するんじゃねぇ! 応えろっ!!》

 徹底的に無視。

 そうして無視していたら、アスターの屋敷を出たところで、後頭部をいきなりぶん殴られた。

「さっさと応えろ、このクズがっ!!」
「ってぇー!? なんだとこのデコッパゲがぁっ!!」
「ハゲ───っ!? こ、このレプリカ野郎!!」
「なんだとこのオリジナル野郎がぁっ!!」

「───お止めなさい、二人とも!!」

 罵り合う俺達をナタリアが止めた。

 数十分間もの間、正座をさせられ、延々とナタリアにお説教を受けました。

 でも、ちょっと快感。
 
 ゲフンゲフン……と、ともかく、その後はアッシュからの情報で、遺跡に潜る事になった。
 何でも各地のセフィロトは地殻を通して繋がってるので、遠隔操作できるらしい。
 戦場が崩落する可能性がある今、ダオ遺跡でパッセージリングを操作するべしってことらしい。
 そんなこんなで遺跡に向かった俺たちは、何とか戦場を無事に降下させることに成功したのだった。



              【10】



 何故かよくわからないのだが、ダアトでイオンと話をしていたらバチカルに拉致られた。

「さぁ、お覚悟をお決めなさい」

 キムラスカの高級官僚になんか小難しい話を諭された後で、この毒杯煽って死ねと言われた。
 ナタリアにまで毒をすすめやがるのがイラっと来たが、武器は取り上げられ抵抗できない。
 なので、ナタリアの分の毒まで奪って俺は一息に飲み干してやった。

 愛の為になら死ねるぜ!

 と、言葉だけなら浪漫を感じることもできるだろうが、実際にやっちまったらそんな余裕は皆無。

「ルーク!?」
「あがががが……」

 毒に顔を真っ青にして、俺は身悶えながら天井に手を伸ばす。
 あ、もう死ぬ! こりゃやばい! マジやばい!!

 本気で死にそうだなぁーと思った所で、乱入したティア達に助けられた。

 なんとか一命を取り留めた所で、ティアのお説教が炸裂。

「バカァっ!」

 今回ばかりは言い返す言葉も見つからず、素直に謝る事になってしまった。
 でも……うん、俺も無駄に死にたいわけじゃないのかもしれないなぁと最近思えてきた。
 これも一つの進歩ってやつだろうかね?

 とりあえず、バチカルを追われた俺たちは湿原経由でベルケンドまで逃げ出すのだった。



……全力で続く!!

  1. 2007/06/03(日) 01:00:31|
  2. TOA中編
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